リア恋DASH!
あたしが後悔に苛なまれ悶えていたが、

羽鳥はレジに行ったままっ戻ってこないってことに気がついた。


あれえ?迷子になっちゃったってことはないよね。


あたしじゃああるまいし、

トイレとか?


「ええと、レジは?

 あ、いた!はと…え?」


安土さん?

…と男の子?彼氏さん?





こんなとこで知り合いと会うなんて、

よっぽどの確率なのに

よりにもよって安土さんに会うとか…


しばらく何か話してて、

まるで、普通の友達と別れるみたいに軽く手をあげて別れてた。


下りのエスカレーターに恋人つなぎで乗っていく二人を

じっと見送る羽鳥の背中をあたしは見ていた。


なんて声かけたらいいかわかんない…

振り返って顔を上げた羽鳥は、

当然あたしと目があって、

ちょっと困った顔した。


「会いたくない人には会っちゃうもんだな。」


バカ羽鳥。

無理して笑うから、

切なくて、

自然と涙がこぼれだす。


「ちょっとなんであんたが泣くんだよ。」


「だって、羽鳥が泣かないから…うぇ~ん」


「ばあか、泣くなって。」


そう言ってあたしの涙をパーカーの袖でぐいっと拭った。







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