リア恋DASH!
「あの写真…」


「そう、あの時。

 あの写真の視線の先にはあいつがいたんだ。


 後悔はしてないんだ。

 だってあいつ笑ってただろ。


 安土はずっと笑えてなかったから、

 やっぱ、あいつにしかああいう顔させられないんだから

 しょうがないよ。」


「どうしてあたしにあんなこと頼んだの?」


「俺がまだチョロチョロしたたら、気にするじゃん。

 俺に会うたびに、申し訳ないって顔されるの、

 結構きつくてさ、

 だから、俺も好きな奴がいるってなれば、

 あいつの気持ち楽になるだろうと思ってさ。」

 
「それって、羽鳥キツイんじゃない?」


「両方キツイんだったら、

 あいつが心から笑ってくれる方がいいだろう。」


残りの炭酸また一気にあおって


 「ぷはっ」

っと大きく息をした。


「おかげで、なんかすっきりしたよ。」


「羽鳥今日、彼女たちがここに来るの知ってたの?」


「まさか。そこまでMじゃねえよ。」


「そっか、あ~、羽鳥ぃ時間!」


「あ、やべ、あと5分しかない、走るぞ」


「うん!」


慌ててキャップしめたあたしの手を

ぎゅうっと繋いで引っ張った。


「ついてこいよ。」


「うん」


羽鳥はあたしの話したことですっきりしたのか

やけに元気。


こんな羽鳥を見るのは初めてな気がする。


ねえ羽鳥、


あたしいつか、

偽物じゃなくてホントの彼女になりたいって

いつか…でいいからって、

そう思ってる。


人の波に揉まれながら、

あたしは羽鳥の背中だけを見つめてた。





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