リア恋DASH!
§3 リア恋の道は厳しい

星に願いを

さすが限定上映の回だけあって、

人で溢れている。


入場が始まっていて、列の後ろに並んで、

切れ切れの息を整えた。


「汗」


「ん?」


「汗すげーかいてる。」

そう言ってつないでいた手を離して

ハンカチで拭いてくれた。

「あ、ありがとう。」

「水分補給しておいてよかったな。これ使っていいよ。」

~~~~っ

心臓は走ってきてドキドキしてんのに、

その上こんなことされたら心臓壊れちゃうよ。


「大丈夫?

 顔真っ赤、

 なんか飲んだほうがいいか?

 さっきのまだ残ってるみたいけど、

 ああ、でも温まっちゃったか…

 買ってこようか?」


「あ、ううんこれ飲む」


視線をそらしてさっきのスポドリのキャップを開け

口に含む。


うぇっまずぃ…

ぬるくて美味しくない。


って、な、なんで見てんの?


羽鳥の視線が恥ずかしくて

二口くらい飲んでキャップを締めようとしたら


「もういいの?


 じゃあ、俺に頂戴?」


「え?ぬるいよ。」


「いい。

 買いに行くの面倒だし。


 で?

 それ俺にくれんの?」



「あ、うん。いいけど…」


差し出すと

羽鳥は受け取ると同時にキャップを外して一気に煽った。


「ぬりぃ~まじぃ~」


そう言いながら、

ははっと笑った。


関節キス///…


そう思って意識しちゃうの自意識過剰なんだろうけど、


リアルって…


リアルって


恥ずかしいよぉ////







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