リア恋DASH!
「そうだ、渡さなきゃならないもがあったんだ。」


「何?」


「バッグの中だあ。」


「ってことは、部室?」


「取ってくるから待ってて?」


「いや、一緒に行く。」


「いいのに。」


「一人にすると心配。」


きゅんっ


「やだ、そんなにあたしと一緒にいたいの?」


「一人にするとまたなんかしでかしそうで、心配。」


ああ。きゅんとして損した。


ブチブチして部室に行くと、


もうみんな帰ったあとで誰もいなくて、


あたしのバッグだけぽつんと残ってた。

夕暮れの誰もいない部室

ほんの少しだけ夕日が差して二人を染める、


「みんな帰っちゃったみたい。」

「うん」

「そうだ調度いいから渡すね。

 はい。」


あたしが渡したのは、あの雨降りの朝、

あたしの涙の素のレモン色の星の代わりに

将くんが置いて行ったもの。


「これ…」

透明なブルーの林檎パズル

作るのに一週間もかかった。


「将くんが言ったんじゃない、

 好きな人ができたら渡せって。」



「そうだけど、これ俺がお前にやったんだけど。

 結構何件も探してやっと見つけたんだよ。」


「うん。だから、あたしから改めてこれ渡したくて。

 はい!

 羽鳥将臣くん大好きです。」


「お、おう。」










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