You are my light
そんな蒼介を見て涼と朱雀はにやにや顔。そんなに面白いのか。
太陽は太陽でさっきのは忘れたみたいに平気で見物に回ってるし、莉都もそんな太陽に話かけてるし。
「……何で怒るのよ」
「は?」
どうしてだろう。
普通の反応をしているはずの蒼介が可哀想に見えてきた。
「私がそこにいる総長さんを蹴ったから?でも私はちゃんと"手を放してくれないと無理矢理にでも外す"って言ったけど」
最初に断っておいたんだから殴られる理由がないと思うんだけど。
「んなの俺にはカンケーないね。俺が見たのは、てめぇが総長を蹴るとこだけだ」
「…………」
だから私を許さないってこと?
確かに理屈は通ってるような気がするけどさ……
「めんど」
ぽつりと言った一言は、蒼介の声で誰にも聞こえなかっただろう。
「、っ!避けんなよ!!」
「無茶言わないでよ」
避けなかったら痛いでしょうが。
次々に向かってくる拳を避けながら、私は蒼介の強さに驚いていた。
さっき上から見ていたときも強いとは思っていたけど、実際にこうして間近に見るとその強さを肌で感じる。
純粋に綺麗だと思った。
ま、かな兄と音兄には敵わないけどね。
もう少し見ていたい気持ちもないこともないけど早く寝たいのも本音だし……そろそろ逃げるか。
「くそっ、逃げるばっかかよ!そっちからもかかってこい!!」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「は、あぁっ?」
向かってきた拳を避けてその腕を掴み、ぐるん、と蒼介の体を地面に叩きつけた。
所謂、背負い投げというやつだ。
ドスン、という鈍い音が響く。