You are my light



「す、すうくん……どうしたの?」



莉都が後ろからおそるおそる聞いてきた。



うん、そうなるよね。いきなり叫んだら。


涼ですら意味がわからない、というような顔をしていた。



「何が?」


「だって…すうくんがいきなり叫んだから……」


「あぁ!気にせん気にせん。あとでみんなに話すな〜」



私にとってはそのご機嫌具合がものすごく怖いんだけど。



「ほんなら、みんなで屋上行こか〜」



みんな訳のわからないままではあったが、とりあえず朱雀に流されるままに屋上へ向かっている。



そういえば、莉都たちは降りてきたところなのによかったのかな。


そう聞くと涼が、朱雀を探しに来ただけだから、と言ってふわりと笑った。


まぁ…それならよかった。



「朱雀、何考えてるの?」



前を歩いている莉都と涼に聞こえないように朱雀に話しかける。



「気まっとるやないか〜」


「?」


「ワシが楽しくなれそうなこと」


「……あっそ」



聞いた私がばかみたいだ。



「なぁ、猫ちゃん」


「だから、猫ちゃんって呼ぶのやめてよ。それで、何?」


「名前教えてくれへん?」


「…………」



ピタリと私は歩みを止める。



「……言ってなかったっけ?」



確かに思い返してみると教えてないかも。



「……ごめん」



朱雀が私を"猫ちゃん"としか呼べないわけだ。



「別にえぇよ。で、猫ちゃんの名前はなんて言うん?」


「満月。泉 満月」


「へぇー、かわいい名前やな。ミツキ、か。どう書くん?」






< 123 / 406 >

この作品をシェア

pagetop