You are my light
説明すればするほど、なんだか危険な方向にいっている気が……
「満月、ちゃん……それって、満月ちゃんの彼氏…ってこと?」
恐る恐る聞いてきた涼の質問に莉都と朱雀の喉が同時にゴクリと鳴った。
何をそんなに深刻そうに聞くんだろう?
「まさか。そんなわけないでしょ」
そう答えるとあからさまにほっとした表情になる涼たち。
……見てる私は楽しいんだけど、何が起こっているのか分からないから頭の中は?ばかりだ。
「私、彼氏がいたことなんてないし」
昔のことを考えれば作れる環境でもなかったしね。
……まず万が一作ってたら、かな兄と音兄によって抹殺されてると思う。
「満月」
呼ばれて太陽のもとに行くと、手を引かれ私は思いっきり太陽の胸に飛び込むことになった。
「わっ」
ふわり、と太陽の良い香りが鼻をくすぐる。
……この香り、落ち着く。
「太陽?」
「満月……彼氏なんて、作るなよ?」
「え?」
「わかったか?」
なんでだろう、と少し思ったがすぐに納得した。
姫である私が彼氏を作るなんて……確かに面倒ごとが増えるもんね。
「うん。わかったよ」
そう太陽を見上げて言えばそれでいい、と太陽は優しく笑った。
その後、太陽は少しご機嫌そうだった。
あくまで私が思っただけだけど……
でも涼たちもニコニコしていたってことは、多分ご機嫌だったんだろう。