You are my light
「もう……俺に近づくなよっ!!なんで、今ごろ……っ」
最後の方は小さくて、まるで一人言を言っているように見えた。
このままだと、蒼介が壊れてしまう。
直感だけど……私はそう思った。
私は蒼介のもとへ向かうため足を進める。
「何よぉ……ちょっとくらいカラダ貸してくれてもいいじゃない。
……昔みたいに、さ」
甘えるように手を伸ばし、再び蒼介の腕を掴もうとした女の手を私は掴んだ。
「蒼介に、触らないで」
庇うように立った私を見て、戸惑ったような表情をする蒼介。
「ハァ?…アンタ誰?」
近くに寄ると女の付けている甘ったるい香水が私の鼻をさす。
「あなたこそ……蒼介の何?」
そう聞くと女はニヤリと蛇のように笑った。
「アタシは蒼介の父親の再婚相手。つまり、この子の義理の母親よ」
「義理の母親……?」
女が言った瞬間、蒼介は怯えたように一度震えた。
「ふーん。で?その義理の母親が蒼介に何の用事?」
「そんなのアンタには関係ないでしょ?さっさとこの手を放しなさいよ。アタシは蒼介に用があるんだから。
ね?蒼介ぇ」
媚びたような、甘えたような声、視線、顔……
どう見ても母親って感じじゃないんだけど。
「私にも関係あるから聞いたんだけど?」
「ハァ?」
「私は蒼介の仲間よ。仲間を守るのは当たり前でしょ?」
私は女に向かってとびきりの笑顔を見せて手を放した。