You are my light
「蒼介ぇ。さぁ、アタシと行きましょぉ?」
甘く笑って蒼介に手を伸ばすが、その手を蒼介が払った。
「…なっ……!?」
驚いたように蒼介を見る女。
「俺は……あんたのものじゃない。あんたの思い通りに動く道具じゃないんだ……もう、俺の前に現れるな……!!」
まだ少し震えてはいたけど、女の目を見てしっかり話す蒼介を、私はかっこいいと思った。
「っ、調子に乗るんじゃないわよぉ!!」
ばっ、と手をあげる女と蒼介の間にとっさに飛び込み、女の手が降り下ろされる前に止めた。
「っな…!?」
「お前……!!」
女と蒼介の驚いたような声が聞こえるけど関係ない。
「あなた、最低なヒトね。言うこと聞かなかったら脅して、そのあと暴力?」
「……ハッ、私はこいつの母親よ」
「だから何?義理でしょ?それに、仮に本当の母親だったとしても、蒼介を自分の思い通りにしていい理由にはならない。
蒼介は蒼介なの。あなたの好き勝手にしていいはずない」
ギリッ、と掴んだ手に力を入れる。
「もう、蒼介に関わらないで」
そう言って私は女の手を放した。
「いっ……覚えておきなさいよ…っ」
キッと私と蒼介を一度見て、女は暗い路地の中に消えていった。
「大丈夫だった?」
「あぁ……」