You are my light
「あの女は、もともと母さんの知り合いだったんだ。母さんが死んで……あの女がウチに来るようになった。
母さんが死んで弱っていた父さんに、あの女はつけこんだんだ……
初めは…俺も賛成してたんだ。あの女のお陰で、皮肉なことに父さんは明るくなっていったからな。
そして、父さんと結婚した。しばらくは普通だったけど…あいつは父さんがいない間、俺に近づくようになった。
……俺に近づくために。
いや違う……あいつが欲しかったのは、俺のカラダだけだ………」
そう言って蒼介は私の方に体を向ける。
「自分の欲望を満たすものを…俺を手に入れるために、あいつは父さんと結婚したんだよ」
そう言って、寂しそうに笑う。
「でも…それでも、あいつと結婚した父さんは、幸せそうで……どうしても言い出せなかったんだ。父さんが幸せなら、俺はよかったんだ。
我慢、できた……なのに…父さんは俺とあいつの関係に気づき、そんなあいつと結婚して俺を苦しめたと思い、自分を責めて自殺しようとした。
発見が早かったから未遂だったけど……。まだ父さんは病院で目覚めてない。
それからの生活は思い出したくもないほど酷かったよ。
そんな生活に嫌気が差して、俺は逃げ出した。
行くところもなくて、頼る人もいなくて……ただ、毎日喧嘩して日々を過ごしていた。でも……」
ふと、蒼介の声と表情が柔らかくなる。
「ある日、太陽と出会ったんだ。行くところのない俺に、手を差しのべてくれたんだ。
俺に……居場所をくれた。仲間をくれた。俺を……救ってくれたんだ」
「そっか……」