You are my light
「その音と奏って、なんだ」
「なんだって言われても……」
どう答えるべきなんだろう。
人間です、とか答えたら怒るよね。
「えと、前にも言ったと思うけど、二人は私にとって大切な人だよ」
「…………」
怖い。物凄く怖いからとりあえず無言で殺気を出すのはやめてほしい。
莉都たちも顔が真っ青だから。
平気そうに笑ってるの涼だけだから。
これ、どうやってこの雰囲気を壊そう……
ぐるぐると頭を回転させて考える。
………あ。
待った。そもそもかな兄たちが理事長ってばれなければいいんだよね。
理事長と生徒である私が何かしらの関係があって、それがばれたらかな兄と音兄に迷惑がかかるわけで。
それなら兄だって言ってもいいんじゃ……
わざとだ。絶対にわざと言わなかった。
かな兄はともかく音兄は確信犯だ。
あのとき、なんとなく感じた有無を言わさない雰囲気。
妹が困ってる姿を見るのがそんなに楽しいか。
「あの、太陽、」
心の中で音兄に文句を言いながら太陽に話しかける。
「さっき言ったことだけど、付け加えるね。奏と音は私にとって大切な人で、私のお兄ちゃんだから」
「………は?」
少し目を丸くして太陽は私を見る。
ぞれだけじゃなくて、莉都たちも驚いたように私を見ていた。