You are my light
「おはよ、太陽」
「あぁ」
空いていた太陽の隣の席に座る。
「海に着くまでは結構時間あるからね」
助手席からひょい、と涼が顔を出す。
「結構って、どれぐらい?」
「んー…二時間ぐらいかな」
二時間か……ちょっと暇かも。
「眠かったら寝ててもいいぞ。着いたらちゃんと起こしてやる」
「んー」
そうしようかな。どうせ暇だし。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
太陽の邪魔にならないように頭を窓の方に向ける。
揺れる度に頭が当たるけど寝れないほどじゃない。
そのままうとうとしているとガコン、と大きく揺れてゴツン、とおでこをぶつけてしまった。
「うっ………」
地味に痛い。眠気も一瞬どこかへ行ってしまった。
「何やってんだよ」
隣から呆れたように笑う声が聞こえる。
ちょっとむっとしたけどやっぱり眠くて、その声もまるで遠くから呼ばれているように聞こえる。
再びうとうとし始めるとそっと肩に温もりを感じて、ゆっくりと体が引き寄せられる感じがした。
……あぁ、なんでだろう…安心する。
かな兄や音兄とは違った安心感。
優しい温もりを感じながら私は体の力を抜いて、そのまま意識を手放した。