You are my light



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「……つき……み……満月…起きろ」


「……ん…」



体が揺すられる感じがしてそっと目を開ける。


顔を上げるとぼんやりとした視界の中、太陽の顔が見えた。



「海、着いたぞ」



……海?



「ほら、早く行くぞ」


「え、あ、うん…」



そっか……着いたんだ。


寝ていたから時間があっという間に感じたなぁ。


みんなは先に行って準備をしているらしい。


私が太陽の肩に寄りかかってたから太陽は動けなくて……申し訳ない。



外に出ると夏の強い日差しを感じた。


しばらくみんなを捜しながら砂浜を歩く。


合流できるか少し心配だったけど、そんなのは杞憂だった。



だって……



「……うわ」


「ちっ」



うん。分かる。舌打ちしたくもなるよね。



「行きたくないよね」


「……あぁ」



私と太陽の視線の先には大量の女の人たち。


その中に思いっきり見慣れた顔がある。


……イケメンって、大変なんだな。


しばらく遠くから見て、人が少なくなったら行こうかな、と思ったときに中にいた朱雀と目があう。


あ、と思ったときには遅かった。




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