You are my light
しばらく朱雀は言おうかどうか迷っていたが、覚悟を決めたように口を開いた。
「猫ちゃん、あんな、」
「待って」
はっとして私は朱雀の言葉を遮る。
「猫ちゃん?」
あちこちから人の気配がする。
……やばい。
「朱雀…囲まれた」
「、は?」
朱雀の間抜けな声が聞こえた瞬間、朱雀と私は大勢に囲まれていた。
なんでもっと早くに気づかなかったんだろ……いくらなんでも鈍りすぎている。
自分に向かって舌打ちしたい気持ちだ。
「なんや、見たこともないヤツらやなぁ。ワシらになんか用か?」
朱雀は庇うように私を背中に隠した。
「はっ…お前に用はねぇよ。オレらが用あるのは……そっちの女だ」
金属バットや鉄パイプを持った集団の中で、一番偉そうな派手な金髪の男が私を指差す。
「私……?」
なん、で……?
「それが、オレらと契約した"白猫"の命令だからな」
ニヤリと気持ち悪い笑顔を浮かべて男が言った。
ドクン、と心臓が嫌な音をたてる。
"白猫"……?
私………?
「そうか……オマエらが最近ここらで騒いどる白猫か」