You are my light



確信を持った朱雀の声。



「ねぇ、どういうこと?」



状況が理解できない。



「あとでちゃんと話すわ。とりあえず今はワシから離れんといてな、お姫さ…まっ!」



そう言うと朱雀は手前にいた奴を力一杯殴った。



「やれ!!」



それを引き金に、武器を持った奴らも朱雀に襲いかかる。


喧嘩してる朱雀を見るのは初めてだけど、さすが幹部……強い。


でも、人数が多すぎる。



「さっすが全国No.1の暴走族だな。けど、この人数相手にどれだけ粘れるか、見物だなぁ?」


「っく、」



どうしよう……朱雀が押されてる。


私も手伝えばこいつらは多分……でも、そんなことしたら……



「おらぁっ!!」


「…ぐぁっ!!」



ガンッ、という鈍い音といっしょに飛び散る鮮やかな赤。



「っ、朱雀!」



倒れかけた朱雀の体を駆け寄って支える。



「朱雀…大丈夫?」


「っ、こんなん、へーきや……」



微かに笑みを見せるがその顔は苦痛に歪んでいる。



「はっ……全国No.1が聞いて呆れるなぁ」



不気味な笑顔を浮かべる男を私は睨み付けた。





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