You are my light
内心ほっとするが顔には出さない。
こういうときにポーカーフェイスって役にたつよね。
「満月っ、あかん……」
立ち上がろうとする私の手を朱雀が掴む。
「ワシなら全然へーきや……やから満月だけでも逃げ、」
「ごめんね」
朱雀が全てを言いきる前に、私は朱雀の首筋に手刀を落とした。
「……!?」
そのまま声も出さずに崩れ落ちそうになった朱雀の体を支える。
「ねぇ、手伝ってくれない?」
さすがに私一人の力で朱雀の体を動かすのは無理がある。
周りの奴らに声をかけるが、何が起こったか分からないのか呆然と私を見ていた。
「ねぇ、聞こえてる?手伝ってよ。そこに座らせるだけだから」
「あ、あぁ……」
金髪の手を借りて、朱雀を壁にもたれるように座らせる。
「約束よ。これ以上、朱雀には手を出さないで。見逃してあげて」
「あぁ。お前が俺らと来てくれるなら、こいつには用はねぇ」
嘘を言っているようには見えない。
……ひとまずは信じるしかないか。
「乗れ」
「………」
いつの間にか停まっていた黒い車に私と金髪だけ乗り、他の奴らはバイクで先にどこかに行っていた。