You are my light



窓からぽつんと残された朱雀を見つめる。


どうやら約束通りにはしてくれるみたいでよかった。



「朱雀……」



私のせいで……傷つけて、ごめんね。



「出せ」



金髪の声で車は発進した。










―――――――――――――――――
――――




「さっさと来い」


「…………」



あれからケータイと財布を取り上げられ、挙げ句目隠しをされて車に乗ること数十分。


着いたのはいかにも出そうなボロい工場跡地。



ここどこなんだろ。



こんなことなら、もうちょっと音兄にここらへんの地理、習っておけばよかったかなぁ。


金髪はどんどん奥に入っていく。


その間周りの視線が痛い、というか気持ち悪かったけど、なんとか無表情で後をついていく。


連れてこられたのはおんぼろ工場には似つかわしくないクラシカルな大きな扉。



鉄パイプ野郎は律儀にコンコンとノックする。



「失礼しますっ」


「どうぞ」



中から聞こえて来たのは想像と違って可愛らしい声。


部屋に入ると、これまた工場には似あわない上品な空間が広がっていた。


ここだけ本当にどこかのお屋敷じゃないかと思ってしまうぐらい、この部屋は綺麗な部屋だった。



「貴方はもういいです」


「はいっ、失礼しましたっ」



何故か敬礼して鉄パイプ野郎は部屋を出て行った。





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