You are my light
私はdollと名乗った少女の向かい側の席に座り、テーブルの上には紅茶。
dollは優雅に紅茶を飲んでいる。
私は紅茶には手をつけず、dollを見ていた。
ピンクブラウンの髪はボブで、瞳は薄い茶色。
ここらへんの高校のものか、白と紺のシンプルかつ上品な制服を着ている。
名前の通り、dollと名乗ってもおかしくないぐらいの可愛さ。
でも………
「飲まないのですか?毒など入れてませんが」
このしゃべり方。そして感情のない単調な声。
……昔の私そっくりだわ。
「……それじゃあ、いただきます」
「どうぞ」
飲んだ紅茶は思った以上においしかった。
音兄並みの腕だな。
「まずは白猫の名前を語ったこと、お詫びをします」
「……どういうこと?」
紅茶のカップをテーブルに戻す。
「…貴方をここに連れてくるために、白猫の名前を利用させてもらいました。申し訳ありません」
そう言ってdollは頭を下げる。
「ここにいる人たちと取引をしたのです。白猫として私が力になるという。そしてその代わり、貴方をここに連れて来てほしいと。
思った以上に事がうまくいってよかったです。お陰で貴方と話すことができます」
「……どうして私を連れてくる必要があるのかしら?」
なんて……聞かなくても理由は分かってるくせにね。