You are my light
この子がBCMなら、
「貴方と話をしたかったのです」
「……は?」
「ですから、一度貴方と直にお話をしたかったのです」
……予想内の答えだけどちょっと違う。
じっと見つめてみるけど、動揺も何もその瞳には映っていない。
「もちろん、上からは貴方を見つけたら捕まえてくるようにと言われています。
……まぁ、上というよりも若様にですが」
ドクン、……心臓が跳ねる。
やっぱり、私を探しているんだね……
「貴方を捕まえた人には豪華な賞品が贈られるそうですよ。私は全く興味ありませんが、他の人は違うようですね。
なんとしても貴方を捕まえようと、BCMの大勢の人が今も情報を探し回っています。難航しているようですが。
何せ貴方はその世界ではトップシークレット…その姿を知っている人も少ないですから」
「それなのに、あなたは私を知っていたのね」
dollは一瞬目を見張り、微かに口角を上げた。
「海に行ったとき、たまたま見てしまったのです。貴方のその、肩の"タトゥー"を……それに私は、貴方を見たことがあったので」
すぐに分かりました、と言ってほんのりと笑うdollの顔はまるで花のように可愛かった。