You are my light
ガラリ、と扉を開けて入ると教室からかなり視線を感じる。
……なんか、視線が痛い。
そう思いながらも黙って私は大ちゃんの隣に立つ。
「満月、自己紹介しろ」
内心は嫌だ。
けど、大ちゃんの言うことだしね。
「……泉(イズミ)満月です」
教室の空気は「それだけ?」……というような感じだった。
これだけですみませんね。
でも他に言うことないんだよ。
「ん、よく出来ました」
大ちゃんが私の頭をぽんぽんと撫でる。
あ、久しぶりかも、これ。
でもさすがに公衆の面前でのこれは恥ずかしい。
「……私の席、どこ」
照れ隠しでわざとぶっきらぼうに言うと、大ちゃんはニヤニヤしながら窓際の後ろの席を指差した。
やった。結構いい席だ。
えい、と私は大ちゃんの手を振り払って席につく。
その間も好奇の視線は向いているわけで。
というかさっきより増してる?
……気のせいか。