You are my light
「怪我は、ないのか?」
「うん」
「何かされたか?」
「特に何も」
「……そうか。よかった」
ほっとしたように息を吐き、太陽は私の体を離した。
……もうちょっとくっついていたかったな。
「行くぞ」
「あ、うん」
右手を掴まれて私は太陽のあとをついていく。
それにつれて何かがぶつかる音や、大きな音がよく聞こえてきた。
扉をくぐるとそこは大きなホールのようになっていて、みんなが戦っていた。
「みんな……」
走りだしたい気持ちももちろんあったけど、右手は太陽と繋がっていてそれを許さない。
「満月はここでじっとしてろ。分かったな」
「でも、」
みんな戦ってるのに……
「大丈夫だから、な?」
私を安心させるような優しい笑み。
太陽が大丈夫と言えば本当に大丈夫な気がするから不思議。
太陽は近くにいた勇に私を任せて再び喧嘩に行った。
「大丈夫ですか?満月さん」
「うん、平気」
こうやってみんなが喧嘩しているところを見るのは二回目だな。
あのときは白猫としての姿だったけど。
「……みんな、強いなぁ」
無意識に考えていた言葉が出てしまった。