You are my light



「当たり前ですよ。なんたって、双翼は全国No.1の暴走族ですから」



ニッコリと無邪気に嬉しそうに勇は笑う。


その間も襲いかかる敵は笑顔で殴り飛ばしていた。



……勇って、今まで莉都みたいだと思ってたけど涼にもどことなく似てる。



「あ、もう終わりそうですよ」



その視線を辿るように私も視線を動かす。


ホールには太陽と朱雀を殴った金髪が立っていた。


多分一対一の勝負なんだろう。


みんなは太陽の邪魔をしないように少し離れて見守っていた。



「太陽……」



二人は何か喋っているように見えたけど、私の場所からは何も聞こえなかった。


金髪が太陽に向かって走りながら鉄パイプを思いっきり振り上げて下ろした。


太陽はそれをかわして鳩尾に拳を入れる。


すかさず無防備になったところに回し蹴りを入れていた。


金髪はもろにそれを横っ面に受けて倒れた。


周りから歓喜の声が漏れる。



よかった……



「満月!!」


「満月ちゃん!」


「みぃちゃぁんっ!!」



こちらに走ってくる影を見て、私の顔には自然と笑顔が浮かんだ。



「蒼介、涼、莉都」



よかった……


かすり傷とかはあるけど大きな怪我はしていないみたい。





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