You are my light



「あ、あいつら忘れてた。連絡入れねぇと」


「あいつら?」



大ちゃんが言った一言であからさまにかな兄が顔を歪ませ、音兄は笑顔を消して無表情になった。



「京野たちだよ。満月の髪のこととかいろいろ隠すのも面倒だし、あいつらは出入り禁止にしてたんだよ」



あ、そういえば今の私ウィッグもカラコンもしてないや。


ほら、と大ちゃんは自分のケータイを投げてきた。



「今頃、あいつらも満月のことが心配で何も手についてねぇと思うからな。目が覚めたってことぐらいは教えてやれよ」


「うん…そうだね」



電話帳から太陽の連絡を探してかける。


うわ、無駄に緊張するなぁ。



何回かコールが鳴ったあと、いつもより元気のない声が聞こえた。



『もしもし』


「あ……もしもし。太陽?」


『…………』


「えっ、と…満月です。目が覚めたので連絡を、」


『満月!?』



ガタン、と何かが落ちる音が電話の向こうから聞こえる。


それに莉都や蒼介の声も。



『大丈夫なのかっ?いつ目覚めた?』


「え、ついさっき……」


『今から行くから待ってろ』


「は?いや、ちょっと!」


『プー、プー、……』



…………。


切れ、ちゃった。





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