You are my light
「ちょ、大ちゃん何してるの!?」
「殴った」
「いや、それは分かるけど!」
いきなりの展開でみんな唖然だ。
あの涼でさえ唖然だ。
「今のちょっと本気だったでしょ?大ちゃんの本気の拳なんて受けたら気絶しちゃうじゃん!」
というか教師が生徒を殴るって……!
「あ?本気っつっても今の五割も出してないし大丈夫だろ」
「そういう問題じゃない!…っ」
ズキン、とお腹に痛みが走り、ついそこを押さえてしまう。
「み、満月っ」
「みぃちゃん、大丈夫!?」
視界の隅であわあわとする莉都や蒼介が見える。
「はぁ、大声出すからだぞ?」
「っ、大ちゃんのせいでしょ……」
「って言ってもなぁー」
大ちゃんは頭をかきながら悪びれた様子もなく飄々としている。
後ろでゆらり、と倒れていた太陽が立ち上がった。
「お、さすが双翼の総長。立ったな」
けらけらと大ちゃんは太陽に向かって笑う。
あぁ……怒ってる。太陽、絶対に怒ってるよ。
大ちゃん……これどうするの。
「ほんっと、運がよかったよな〜。満月の兄貴たちがここにいたら、お前ら殺されてたぞ?
まぁ俺もさすがに大事な子傷つけられて頭にきてるけど?俺は優しいから、この一発だけで許してやるよ。まぁ一発殴ったのはあいつらに言われたのもあるんだけどな」