You are my light



「ふふ、太陽から話は聞いているわ」


「え、オレ聞いてないよ?」


「暁には言いたくなかったんじゃないの?」


「……へぇ、なるほど」



ニヤリと二人が楽しそうに口許を緩ませる。


………ちょっと怖い。



「じゃあオレも自己紹介ね。オレは京野 暁。太陽のお兄ちゃんね」


「わたしは春花(ハルカ)。太陽と暁の母親よ」



よろしくね、と手を出されて私も手を重ねる。


太陽、お兄さんいたんだ……あ、なるほど。誰かに似てると思ったら太陽に似てたんだ。


納得。


というかこの人母親?


……見えない。どう見ても二十代でしょ。


ぼーっとして見ていると春花さんがそうだわ、と声をあげた。



「満月ちゃんだったわよね?確か、太陽は今いないんだけど……」


「そうなんですか?」


「一度倉庫に戻るって言ってたかしら?」



首を傾げる姿が似合いすぎる。


本当にお母さんか?


それにしても、太陽は倉庫かぁ……まぁ総長だもんね。


あまり私にばかりかまってもいられないか。



「それで、どうしてこんなところに?」



あ、当初の目的忘れるところだった。



「あの、キッチンってどこですか?」


「キッチン?」



不思議そうに繰返されて喉乾いちゃって、と言うと納得したような顔になる。





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