You are my light



う……でもなぁ。


それでも少し迷う私。だって、なんか悪いし。



「買い物?ボクも行くー!!」


「お前絶対に別のもんまで買おうとするだろ!俺が行く」



えー、と頬を膨らませる莉都を無視して、さっさとマナさんと涼、そして蒼介は家を出てしまった。



……そういえば、涼と蒼介が一緒に行ったってことは、二人は料理できるのかな。


想像もできん。



「ねぇねぇ、りじちょー……って、どっちも理事長だったや。えーと、芹沢さん?」



それもどっちも芹沢さんなんだけど。


と思わず突っ込んでしまいそうになった言葉を飲み込む。



「おい河井、なーんで奏たちは"さん"付きなんだよ」


「へっ!?」



あぁ、そういえば、莉都は大ちゃんのこと「はたちゃん」って呼んでたもんね。



「だ、だってはたちゃんははたちゃんだもん。それに、理事長にそんな軽々しく名前呼ぶことなんてできないよぉ」



少し顔色の悪くなった莉都。


なるほど。


さっさのかな兄と音兄のあれを見たからか。


まぁ、こんな近くであんな人をも殺せそうな殺気を感じちゃったらねぇ。


軽々しくは呼べないわ。


仕方ない。ここは助け船を出そうかな。



「莉都、太陽も名前で呼べばいいよ。ね、いいでしょ、かな兄、音兄」





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