You are my light
ほんと、今日だけで大人と子供に別れたよ。
太陽は……どっちでもないけど。
何にも動じず優雅にコーヒーを飲んでいる。もちろんブラック。
前も飲んでたし、好きなのかな。
「あ、そういえば飲み物って……」
あったっ、け?
昨日まで太陽の家にお世話になってたし、よく覚えてないや。
冷蔵庫の中を覗くと案の定、そこには500ミリリットルのペットボトルが並んでいるだけ。
お酒は……大量にあるんだけど。
仕方ない。
「私、ちょっと飲み物買ってくるね」
「え、でも……」
「でもじゃない」
まさかお酒でいいとか言うんじゃないよね。
お酒は二十歳からだぞ。
「もう……私が作ったんだから、冷めないうちに食べてよね」
かな兄の財布がそこにあったので、それをつかんでさっさと家を出る。
うん。後ろから悲鳴に近いものが聞こえたけど気にしない。
今月ピンチなんだとか私には関係ないし。
飲み物だし近場のコンビニでいいか、と私はそっちに足を向ける。
「満月」
「あれ、太陽?」
後ろからの声に振り向くと太陽が立っていた。
「別に、私一人でも大丈夫だったのに」
心配性だなぁ、と私は笑みをこぼした。