You are my light



ポッキーを食べる音と莉都と朱雀が愚痴る声だけが聞こえる。


そんな中で誰かのケータイが鳴った。


誰?と思ったら太陽だったみたい。



「もしもし……あぁ、分かった」



ピ、とすぐに切って元の状態に戻ってしまった。


……電話終わるの早くないか。



「電話誰からだったの?」


「涼からだ」



あぁ、それならあの電話も納得できるかも。


なんて言うか、そっけない感じが涼っぽいというか、信頼してるみたいっていうか。



「今から話がある」



太陽がそう言うと、朱雀も莉都も体を起こした。


あれだけぐだぐただったのに、その瞳はすでに真剣な光を浮かべている。



これは、私はいない方がいいんだろうか。


チラリと確認するように太陽に目を向ける。



「今回は満月にも聞いてほしい。前は隠していてケガをさせたし、知っている方が理事長たちにも協力してもらえるからな」


「うん、分かった」



私が頷いたと同時に屋上の扉が開いた。



「ごめん、遅くなったかな」


「いや、大丈夫だ」



涼のあとに蒼介も続いて入ってくる。


いつもより少し緊張しているように感じる空気。



なんか、落ち着かないな。



「じゃ、頼まれてたことの報告するね」



ニコ、と笑顔を浮かべて、涼はパソコンを開いた。





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