You are my light
真っ青になる朱雀と莉都を横目に、私はテーブルの上にまだ残っていたポッキーに手を伸ばした。
助けを求める視線をビシバシ感じるけど。
………うん、ごめん。私までとばっちりを受けるのは遠慮したいんだ。
薄情とでもなんとでも言ってくれ。
全てのポッキーを食べ終わる頃には、涼は少し晴れやかな顔をしていて。
代わりに朱雀と莉都の顔は更に青ざめ、しっかりと姿勢を正していた。
しかもソファの上で正座って。
涼は怒らせたらダメだな、と改めて感じた。
「さっきの話の続きだけど、調べて気になることがいくつかあったんだ」
「気になること?」
太陽の目がスッと鋭い光を放つ。
「うん。まず一つ、仮に彼らと言っておくね。彼らは誰かを探しているらしい」
誰を探しているのかは不明、と涼は肩をすくめる。
多分、また分からなかったんだぁ、みたいなことを言おうとしたんだろう。
口を開きかけた朱雀に、涼が絶対零度の微笑みを向けて黙らせていた。
朱雀、懲りないなぁ……ある意味感心する。
「あと一つ、これは何かの暗号、かな。"clown"、"joker"、"BCM"、"cat"
多分、何かを指している言葉だとは思うんだけど……」
ドクン、と心臓が嫌な音をたてた。
無防備なところにいきなり刃物を突きつけられたような緊張感。
一瞬息が止まった。
それをごまかすように細く息を吐くけどそれは微かに震えていて。
指先が、冷たい。
背中に得体の知れないものが走る。
あぁ―――キモチガワルイ