You are my light
「……行くの?」
「満月?」
「答えて。太陽は、その犯人を見つけようと思ってるの?そのために、行くつもりなの……?」
胸が、キモチワルイもので溢れてぐるぐると回っている。
本音を言えば、行かないでほしい。
「ねぇ……行くの?」
私の声は、少し震えていたかもしれない。
表情は笑えるくらい情けなかったかもしれない。
太陽は真っ直ぐな瞳を私に向けた。
強い、真っ直ぐな琥珀色の瞳。
あぁ……この瞳を見れば、答えなんて聞かなくても分かってしまう。
それが嬉しくもあり、悲しくもあり……苦しかった。
「……ごめん、私、関係ないことなのに首を突っ込んだりして」
「満月、」
「もう行くね。かな兄たちのところに行くから心配しないで。帰りも送ってもらうし、今日の見送りはいいよ」
みんなから感じる視線を振り切るように、私は立ち上がった。
分かってる……みんなは悪くない。
ただ、これは私の我が儘だ。
他がどうなってもいい、みんなが傷つかないなら。
行かないでほしい、行ったら殺されてしまうかもしれない。
怖い、無くすのが。
みんながいなくなってしまうことが。
もう、あんな気持ちは、嫌。世界が暗転してしまったような絶望は嫌。
だから…………
「私、行くのは止めないよ。でも、今日みたいに大切なことはこれからもちゃんと私に教えて。あと……ケガ、しないでね」
それだけ言って、振り向かずに私は屋上を出た。