You are my light
私に、できること。
私にしか、できないこと……
みんなは傷つけさせない。
私が、みんなを守る。
大切な人たちを、守ってみせる。
向かった先は理事長室。
ノックもせずにいきなり開けたけど、かな兄も音兄も慌てた様子はなかった。
まぁ、これは予想の範囲内だ。
「そんなピリピリしてどうしたよ、満月」
「扉越しでも分かったよ?」
自分でも分かってる。
今の私、殺気隠せてない。
ちゃんと自覚してるよ、と心の中で呟く。
でも口には出さずに、私は二人が座っているソファの前のテーブルをバンッと叩いた。
その前に、上に置いてあったお茶をどかすところはさすが、と思ったけど。
今はそれを褒められるほど心に余裕がない。
「な、どした?」
「今すぐ、情報調べて。緋連雀とBCMの関わりについて。どんなに小さなことでもいいから」
一瞬にして流れる空気がシン、と張り詰めたものになる。
「音なら知ってるでしょ。最近起こってる暴走族潰しの正体。知らないなら調べて、今すぐ」
音の目をそらさずにじっと見つめる。
メガネのせいで表情はよく分からないけど、きっといい顔はしてない。