You are my light
でも、そんなこと私たちが気づくことなんだから、音兄なら気づくはず。
普段バカなかな兄も、これで結構鋭い人種だし。音兄はそれ以上。
気づかないはず……
「だよね。安易かな、とは思ったんだけど……これ見て」
パソコンに映された画面に、私とかな兄が身を乗り出す。
そこに映っていたのは、恐らく音兄が調べて見つけた、新しく族に入ったっていうメンバーだと思う。
「見た目はちょっと違ってたりするんだけどね……これは変わらない」
ある部分をズームしてそこを映す。
これ、は………
「タトゥー……?」
かな兄が呟くと同時に、何かに気づいたように音兄を見て、私に目を移す。
「僕が、関わりと呼べるかどうか。曖昧な言い方をしたのは、これがそうなのかそうじゃないのかが分からなかったからなんだけど……」
答えは聞かなくても分かる、というように口を閉ざす音兄。
私は画面から目をそむけるように視線をそらした。
「……この"印"を持ってるのは、"clown"と"joker"で間違いないよ。言うまでもなくBCMの人間」
これで、涼との話にも繋がった……
チラ、ともう一度画面を見る。
忘れるはずもない、この"印"。
この二人の翳りを帯びた瞳。
私は過去に、この二人に会ったことがある。