You are my light
「catは美人になったっスね。震い付きたくなるぐらいっスよ」
「ふふ、ありがとう、clown」
飴色のふわふわした髪をした小柄な男。ガラスをそのままはめ込んだような瞳。
口元は緩く上がっているけど、その表情は張り付けられたような温度のないもの。
大きく開いた服から見える胸元にはNo.7という数字が刻まれている。
「catじゃない。silver catと言え」
「いつもながら、細かいことを言うのね、joker」
黒い髪に何も映していない瞳。その顔には表情というものが見られない。
そしてその手の甲にはNo.9という数字が。
紛れもない、二人はBCMの暗殺者で、私の……昔の同業者。
「そうっスよ。jokerはいつも細かすぎっス」
「お前が大雑把なんだ」
「えぇー」
ゆるゆるした雰囲気はここにはあまりにも場違いで、いっそ不気味な気がする。
はぁ……いつまで経ってもこのままでいるわけにもいかないな。
さっさと話を進めよう。
「今回、こんな面倒な暴走族潰しをしたのは、私を誘き寄せるため?」
静かな空間に私の声が響き、二人が言い争いをやめる。