You are my light



そうだよ、と言った涼に、安心したようにホッと息をする私。


多分、私が今ここにいる"ただの"満月なら、きっとそうしていたと思うから。



「よかった……本当に。みんなも怪我してなくて」


「うん。今回は完全な第三者だったからね」



みんな何も怪我してないよ、という言葉に、私はただよかったと笑顔を浮かべた。



「そういえば、朱雀は?」


「すうくんなら野暮用がある〜ってさっきメールきたよ。だから遅れるって」


「そっか」



ちょっと安心、かな。


私のことを白猫だと知っているから、あの状態をどう説明しようか悩みどころなんだよね。



その後、久しぶりのおしゃべりに花を咲かせていると、私のケータイが鳴った。


誰だろう思って見ると、知らない番号で。最近誰かと番号交換した覚えないんだけどな、と首を傾げながらも出てみる。



『もしもし。満月さまですか?』



この声は……



「サチ?」



どうして、なんで私のケータイ番号を……


その疑問を口にする前にサチが話を続ける。



『会って話したいことがあります。至急です』



どこか切羽詰まったような声に思わず息を呑んだ。





< 392 / 406 >

この作品をシェア

pagetop