You are my light
そうだよ、と言った涼に、安心したようにホッと息をする私。
多分、私が今ここにいる"ただの"満月なら、きっとそうしていたと思うから。
「よかった……本当に。みんなも怪我してなくて」
「うん。今回は完全な第三者だったからね」
みんな何も怪我してないよ、という言葉に、私はただよかったと笑顔を浮かべた。
「そういえば、朱雀は?」
「すうくんなら野暮用がある〜ってさっきメールきたよ。だから遅れるって」
「そっか」
ちょっと安心、かな。
私のことを白猫だと知っているから、あの状態をどう説明しようか悩みどころなんだよね。
その後、久しぶりのおしゃべりに花を咲かせていると、私のケータイが鳴った。
誰だろう思って見ると、知らない番号で。最近誰かと番号交換した覚えないんだけどな、と首を傾げながらも出てみる。
『もしもし。満月さまですか?』
この声は……
「サチ?」
どうして、なんで私のケータイ番号を……
その疑問を口にする前にサチが話を続ける。
『会って話したいことがあります。至急です』
どこか切羽詰まったような声に思わず息を呑んだ。