You are my light



理事長室までの道のり、朱雀も、もちろん私も一言もしゃべらなかった。


気まずい雰囲気が流れる中理事長室に到着して。


私はノックもなしに理事長室の扉を開いた。



「音、どうだ?似合うか?」


「……いいんじゃない?」


「本当か?」


「…………」


「よし!これで満月を励ましてやろうぜっ。ほら、音のも用意してやったから、な?」


「そんなものを着るぐらいなら僕は奏を倒してでもそれを処分する」


「なんだとっ!?」



………え、何この光景。


思わず唖然。見てはいけないものを見てしまった気分。



「絶対に着させてやる!ハッキングでは勝てないが肉体戦なら俺が勝つ!!」


「何言ってるの?僕がハッキングしか取り柄がないとでも思ってるの?そんなの奏に花を持たせてあげてるだけに決まってるでしょ。あいかわらずおめでたい頭してるね」


「ほーお?」



ピキ、とかな兄の額に怒りのマークが。


ちょ、なんで兄弟喧嘩になってんの。



「じゃあ一戦やっとくか?」


「後悔しないでよね」



テーブルを挟んで2人は立ち上がった。






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