You are my light
と、とにもかくにも、
「朱雀、さっさと入って」
ここは人通りが少ない方とはいえ、万が一でも億が一でも他の人に見られたらそれこそ恥だ。
慌てて朱雀を引き入れて扉をしめる。ついでに鍵も。
「………」
「………」
「とりあえず、かな兄はそれ着替えてきて」
「お、おぉ」
さすがのかな兄も、その格好のまま朱雀に会うということには羞恥心を持っていたらしい。
よかった……まだ普通の精神状態だ。
「朱雀は……さっきの忘れて」
「……無理や。忘れるにはインパクトが強すぎやで」
「……だよね」
硬直していた朱雀がそうもらした。
かな兄は、その……猫のコスプレというのか?
茶トラの猫耳にその模様のつなぎの服を着て、鈴付きの首輪としっぽもつけてー……
あ、よくよく考えみると、音兄の言ったことは全部的を射てるな。
つまり、
「恥を知れ」
扉の向こうに消えたかな兄に、私は小さくそう呟いた。