You are my light
長い髪は乾かしたあと高い位置でポニーテールにする。
「よし。準備おっけ」
時間を見ると8時前だった。
うん。ちょうどいい時間。
仕上げに白いニーソックスを履いて白いブーツを履き、少し大きめの黒いマントのようなものを羽織る。
そして髪を隠すためにフードを深めにかぶり、ケータイだけ持って私は家を出てある場所に向かった。
向かったそこは、少し古く見えるバーのようなところ。
ま、それだけじゃないけど。
知る人ぞ知る、凄腕の情報屋がいたりいなかったりってね。
滅多に人に力を貸さない気まぐれ過ぎる情報屋だけど。
扉を開けるとベルが小さく鳴った。
「いらっしゃい」
そう言って穏やかに笑うのはこのバーのマスターであるマナさん。
自分のことを話さない謎多き人だ。
私がマナさんについて知っているのは、イギリスと日本のハーフだってことぐらい。