You are my light
月夜に



私はマナさんの店を出たあと鬼火の倉庫に真っ直ぐ進んでいた。


思った通り、歩いて行っても然程時間はかからずに倉庫につくことができた。


倉庫を見ての第一印象。



「……写真より不気味」



そして古い。


遠目から見ても分かるくらいに。


音兄に見せてもらった写真もお世辞にも綺麗とは言えなかったけど。


目の前にある建物は汚いとか古い、と言うよりも不気味、と言った方がぴったりくる。


いかにもって感じ。



「さて………」



写真の通りなら、どこかに小さな窓があったはず。


まずは窓を探そうと倉庫のある敷地に入る。


倉庫を囲むようにあった高めのスェンスを飛び越える。



「確か、」



目立たないように奥の方にあったはずだからとりあえず進めばいいか、と思い立ち上がるとこちらに来るバイクの音がした。



「えぇー……どんなタイミング…」



目を閉じて音に集中する。


6…7……10ぐらい、か。






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