君とともに未来を



「……病気?」


「そう、血液のね…」


「治る?」


「……治して帰ってくるよ」


そう言った成瀬の表情から決意が見えた。


俺は拳を握り締めた。

なんで…病気になるのが成瀬なんだよ!!

神様は不公平で幸せを与えない。

成瀬の決意の裏に死と隣り合わせであることが読み取れた。




「……いつ帰ってくる?」


「期末試験までには帰りたい…」


ということはあと2ヶ月くらいか…


「…頼むから早く帰ってきてくれ。俺、成瀬がいないとか無理」

そう言って彼女の頬に手を添えた。


その時、成瀬の頬に涙が伝った。


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