君とともに未来を
立ち上がった成瀬が空に向かって叫ぶ。
「うっしゃあー!次の授業サボるぞー!!」
俺の中での優等生キャラ成瀬、崩壊。
And俺もサボる!!
「ちょっと待ってて」
成瀬はそう言い残してどこかへ行ってしまった。
ったく…ほんとじっとしてないなぁ…
「成宮くん。ハイ」
と戻ってきた成瀬が差し出したのは紙パックのジュース。
「…あぁ、ありがと。金…」
「いーよ。一緒にサボってもらうから」
「了解」
ふっと笑うと成瀬が面白そうに見てくる。
「なに?」
「いや…成宮くんが笑った…」
「……」
俺、笑ってたか…無意識。
「って…すぐ無表情に戻らないでよ!!」
コレも無意識。
拗ねたように言う成瀬がなんだか可愛くて俺は緩みそうな顔を必死で引き締めた。
俺は受け取ったジュースを飲みながらふと頭に浮かんだ疑問を口にする。
「…成瀬って彼氏いるの?」