ベイビー、君は僕のもの
「いいか、帰りは相手に家まで送らせるな。で、遅くても夜の7時までには駅で別れて、俺に連絡寄越せ。迎えに行くから」

「え……?」



一気に言われて、わたしは思考が停止した。

……な、んで?



「どうして? どうしてそこで、かなちゃんが出てくるの?」

「……今の時期はもう夜はすぐ暗くなるし、危ないだろ。だから、迎えに行く」

「だからって……っ」



『そうとう過保護だよね、奏さんも』



──違うよ、万里奈。

かなちゃんのこれは、子どもが自分のオモチャで遊ぶのと、同じ感覚。

オモチャは持ち主と、対等な立場になんてなれなくて。

かなちゃんは、わたしが自分の思い通りに動かないと嫌なの。

オモチャだから、大切にもするし……自分の目が届くところに、置いておきたくなる。

そうでしょ? かなちゃん。
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