ベイビー、君は僕のもの
……もう、嫌なんだよ。



「わたし、は……かなちゃんの、なに?」

「……月乃……?」



今の自分は、ヒステリックな昼ドラの登場人物みたいだ。

知りたくないと思ってるのに、言わずにはいられない。


ベッドの上に置いた両手を握りしめて、わたしは顔をあげた。



「ッ、わたしはいつまでも、かなちゃんのオモチャじゃない……っ!!」



──次の瞬間。わたしは再び、ベッドに背をつけて沈んでいた。

真上にはかなちゃんの顔と、肩越しに見える天井。



「……ふざけんな」



今まで聞いたことのない、かなちゃんの低くうなるような声音に、ビクリと肩がすくんだ。

ギシ、とベッドが軋むくらい、強く両手をおさえつけられている。



「オモチャ? 誰が? 月乃が?」

「……か……」

「……今までおまえ、そんなふうに思ってたのかよ」



逆光で、よく見えないかなちゃんの表情。

だけど一瞬、そう呟いたかなちゃんが、少しだけ顔を歪めたような気がした。
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