ベイビー、君は僕のもの
お昼過ぎに待ち合わせをして、買い物やゲーセンなどに行っていたわたしたち。
夜ごはんも食べ終え、一旦駅まで戻ってきた。
ふと腕時計に目を向けると、示していたのは午後7時26分。
『遅くても夜の7時までには駅で別れて、俺に連絡寄越せ。迎えに行くから』
……かなちゃん、心配してるかな。
一瞬浮かんだ考えを、軽く頭を振ることで打ち消した。
別に、かなちゃんは関係ないもん。これは、わたしと津川くんのデートなんだから。
わたしの1歩前を歩いていた津川くんが、券売機の近くで足を止めて振り返る。
「どーする? これから。ちなみにここから2駅で、俺の家なんだけど」
「え、あ……」
首をかしげながら顔を覗き込まれ、思わず視線をさまよわせた。
……どうしよう。正直、このまま津川くんと一緒にいても、全然楽しめる気がしない。
それに、『俺の家なんだけど』、って……。
「えっと津川くん、悪いんだけど、少しだけ待っててもらえるかな? わたし、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
「……ん、わかった」
あくまで表面では笑みを取り繕い、とりあえずわたしは適当な理由をつけて、逃げるように津川くんから離れる。
歩きながらもう1度腕時計に視線を落として、深くため息を吐いた。
夜ごはんも食べ終え、一旦駅まで戻ってきた。
ふと腕時計に目を向けると、示していたのは午後7時26分。
『遅くても夜の7時までには駅で別れて、俺に連絡寄越せ。迎えに行くから』
……かなちゃん、心配してるかな。
一瞬浮かんだ考えを、軽く頭を振ることで打ち消した。
別に、かなちゃんは関係ないもん。これは、わたしと津川くんのデートなんだから。
わたしの1歩前を歩いていた津川くんが、券売機の近くで足を止めて振り返る。
「どーする? これから。ちなみにここから2駅で、俺の家なんだけど」
「え、あ……」
首をかしげながら顔を覗き込まれ、思わず視線をさまよわせた。
……どうしよう。正直、このまま津川くんと一緒にいても、全然楽しめる気がしない。
それに、『俺の家なんだけど』、って……。
「えっと津川くん、悪いんだけど、少しだけ待っててもらえるかな? わたし、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
「……ん、わかった」
あくまで表面では笑みを取り繕い、とりあえずわたしは適当な理由をつけて、逃げるように津川くんから離れる。
歩きながらもう1度腕時計に視線を落として、深くため息を吐いた。