SS -ショート・ストーリー-
*掛詞 -カケコトバ-*
お前と初めて会ったのは高二の春だったな。
初めて同じクラスで、何度目かの席替えで
初めて隣になって、初めて喋ってさ。
お前は覚えてるか?
初めての会話、これだぞ?
「おい、寝癖ついてる」
「へ?うっわ…恥ずかしい…内緒、ね?」
そう言って笑うお前が可愛くて
気が付いたら目で追っていた。
それなのにお前は俺がお前を
好きだと知ってか知らずか相談しに来たよな。
『…好きな人が出来たの』
あの言葉は当時の俺には破壊力が大きかったんだぜ?