SS -ショート・ストーリー-
だから私は彼と別れた。
「最初から好きじゃなかった」「もう関わりたくない」
そんな冷たいことを言ったのに
君は … まだ、私のことを好いていてくれた。
それが嬉しかった。
だけど彼は知らない。
私が病気になって死ぬことすら。
死ぬときは辛いかな?苦しいかな?
そんな事しか考えなかった。
だから、本当に死んだときは
すごく苦しかった。
息が出来なくなって
必死になってもがくんだ。
それでも段々と意識は遠退いていった。
最後に、君が泣いている顔を見た気がしたけど
あれは きっと幻覚だろうと思う。
もしも君に伝えられるなら
… 私は伝えたいことが一つだけある。
-別れても君が好き。-
-end-