SS -ショート・ストーリー-
伸びをしながら外に出ると、一人の
男性が立っていた。
この季節に こんな時間 …
まさか、変質者!? … なんて思ったのは
束の間だった、その、男性は私も
よく知る人だったのだから。
「 … 先輩?」
そう、この会社で、私の先輩に当たる人。
「遅い」
第一声がそれって … 何なの?
先輩だからって … 全く。
「すみませ…っえ!?」
せっかく人が謝ろうとしたのに先輩は
私の片手を強引に掴んで自分のポケットに
雑に放り込んだ。
… 強引な人はあまり好きじゃないけど
先輩は嫌いじゃない。
むしろ好きなくらいだ。
「これから俺ん家に直行だ」
いやいや、待ってよ。