SS -ショート・ストーリー-
私に拒否権は無いんですか。
「お前に拒否権は無い。
先輩からの命令だ」
おもくそプライベートですけどね!!
こちとら寒いから家に帰って
暖まりたいんだけど … 何か言い訳でも
考えて逃げ出すしかないよね。
「あのですね -- … 」
「俺ん家でお前を12時までに口説くんだよ。
お前の誕生日は明日だろ?だから12時丁度に
お前を俺の女にすんの。だから来い」
ほんと、強引な人は嫌い。
だけど先輩なら許せるよ。
だって、私の誕生日覚えててくれたんだから。
私をたった二時間で口説くなんて
相当な自信があるみたいだし。
私はそんな簡単には口説かれないのに。
でも、その案には乗ってあげる。
私には 逃げ出す の゙に゙の文字すら
既に無かった。
冬の彼方へ消え去ったと言うべきか。
-end-