SS -ショート・ストーリー-


だぁああーーーっ!!

もう、何なのよ!?

さっさと諦めて帰りなさいよ。

そう思いながらも自分で決めてしまったから

渋々外に出るしかない。

「…はい…」

わざと不機嫌な声を出した。

「お届け物です」

つい最近から見るようになった彼。
…並みの人よりイケメンな彼。

密かに恋に落ちていたんだ。
だからこそ会いたくもなかった。

こんな格好で…。

「どーも」

「有難う御座いましたー!!」

「はいはい」

荷物を受け取ってドアを閉めようとした瞬間

「その服装、露出しすぎ。狼に喰われるよ」

そう、彼がニヤリと笑って言った。

「…は?」

ドアを閉める手が止まる。

ニヤリと笑っている彼は そのまま荷物を持った私の

後頭部をグイッと引き寄せて触れるだけのキスをしたんだ。

去り際に一言。

「俺みたいな狼に、な?」

…この三連休は ゆっくり出来なさそうだ。



-end-


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