SS -ショート・ストーリー-
「ん、いーよ、別に」
フッと笑う君に安堵の溜め息を溢したのは
それから間も無くだった。
次の日から彼は本当に毎日
最初から最後まで授業を受けてくれた。
それこそ担任も、先生も生徒も
びっくりしていた。
彼は
どうして毎日来る気になったの?
なんて質問に「秘密」と常に答えていた。
懐いたのか気分なのか分からないけど
あたしは凄く嬉しい。
全員が揃って授業出来てるんだから。
… その日から彼は あたしを落とす
トラップを考えているらしいけど
あたしが君に落ちるのは案外
もうすぐだったりして。
-end-