SS -ショート・ストーリー-
心臓の音がドキドキとうるさい。
…今日はもう出よう。
そう思って胸のトキメキを隠しながら出た。
次の日、また同じ時間に同じ席で私は
カプチーノを飲みながら彼を待った。
…あれ?
今日は彼のお友達まで来ている。
男の人…彼が見せたことのない笑顔で
お友達と笑い合っていた。
私も…あんな風に笑わせてあげたい。
…なんて、儚い願いだけど。
ふと、正面を見る。
するとまた、昨日と同じように
彼と目が合ってしまった。
…二日続けて目が合うなんて奇跡だ。
運が良すぎる。
今日はたまたま、私の天秤座が一位だった。
明日も目が合うかな?
心臓の音がうるさいけど、良いの。
彼と話せなくても良いの。
見てるだけで満足できるから。