SS -ショート・ストーリー-


心臓の音がドキドキとうるさい。

…今日はもう出よう。

そう思って胸のトキメキを隠しながら出た。


次の日、また同じ時間に同じ席で私は

カプチーノを飲みながら彼を待った。

…あれ?

今日は彼のお友達まで来ている。
男の人…彼が見せたことのない笑顔で

お友達と笑い合っていた。

私も…あんな風に笑わせてあげたい。

…なんて、儚い願いだけど。

ふと、正面を見る。

するとまた、昨日と同じように

彼と目が合ってしまった。

…二日続けて目が合うなんて奇跡だ。

運が良すぎる。
今日はたまたま、私の天秤座が一位だった。

明日も目が合うかな?
心臓の音がうるさいけど、良いの。

彼と話せなくても良いの。

見てるだけで満足できるから。


< 5 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop